2001年01月26日 |
中東・アジアの実質PE供給能力、1年前の300万トン増に |
昨年の大型新増設が今年はフルに需給に影響の見込み |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:経済産業省、エクソンモービル |
大手商社ならびにわが国のポリエチレンメーカーの多くは、中東・アジア地域における当面のポリエチレンの実質供給能力が1年前に比べて年間おおむね300万トンの増加になるとの見方を固めている。 これは、昨年の第3・四半期初頭から年末にかけて中東とアジア地域で相次いで完成した大型PEプラントが今年春以降軒並みフル稼働に入ると予想してのもの。新たに戦列に加わるプラントの主なものとしては、台湾・FPCの年産24万トン能力のL-LDPE設備、フィリピン・バターンポリエチレンの同25万トンのLL/HDPEのスイングプラント、サウジ・ケムヤの同20万トンのLDPE設備と同30万トンのLL/HDPEスイングプラント、同・ヤンペットの同53万5,000トン能力のHDPE装置、同・シャルクの同30万トンのL-LDPE設備、シンガポール・エクソンモービルの同48万トンのL-LDPEプラント--などを挙げている。 うち、シンガポール・エクソンモービルのPEプラントの操業開始時期は、ボイラーの火災事故で立ち上がりが遅れている同80万トンのエチレン装置が稼動に入るのと同じタイミングとなる。いまのところ3月中にはボイラーの取り替え作業が完了して再びオイルインできる見通しと言われている。 いずれにせよ、今年は、エチレンプラントにとどまらずポリエチレンについても、かつて見られなかったほど集中的に中東・アジア地域全体で新増設プラントが本稼動入りするのが確実であり、このためわが国のポリエチレンメーカーは輸出減と輸入増に一層悩まされることになりそう。 なお、経済産業省が昨年春にまとめた同地域のポリエチレンの総設備能力は98年末時点で同1,780万トンとなっている。 |