2012年03月13日
カネカ、不凍タンパク質を冷凍麺市場で発売
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:カネカ

カネカは13日、カイワレ大根から抽出した不凍タンパク質「クリスタキープ S-1」をビック・ワールド社(本社・兵庫県姫路市、福岡譲一社長)と共同開発し、このほど大手製麺メーカーの冷凍麺に採用されたため、本格販売を開始したと発表した。

遺伝子組換え技術を利用せず、抽出により得られた不凍タンパク質の商業販売は世界初。

カネカは2008年10月に河原秀久・関西大学准教授と共同研究契約を締結し、植物由来不凍タンパク質の研究開発を続けてきた。不凍タンパク質は、氷点下の温度域で氷結晶に結合し、その成長を妨げる能力を持つ。

「クリスタキープ Sー1」は、加工食品などに添加して冷凍保存しても、味や食感の低下を抑さえ、冷凍食品の品質を長く維持することができる。また、冷凍保存が困難だった食品の冷凍保存も可能になり、賞味期間の延長や食品の廃棄量低減にもつながる可能性がある。

今回は、業務用の冷凍麺3種(うどん、そば、中華麺)での採用となったが、今後は卵加工品、米飯、水産練り製品、洋菓子などへも展開し、2020年度には30億円の販売を目指す。