2012年03月21日 | |
化学会、「30年後の化学の夢ロードマップ」作成 | |
【カテゴリー】:行政/団体(新製品/新技術) 【関連企業・団体】:日本化学会 |
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日本化学会(岩澤康裕会長)は21日、30年後の化学の姿を主要分野ごとに展望した「30年後の化学の夢ロードマップ」を初めて作成したと発表した。A4判155ページの冊子を3月27日に1500部発行する。 これは、「今から30年後までに、いったいどのようなテーマが研究され、どれだけ現実になっているのか。また、社会の要請に応え、どのような研究課題に取り組み、どこまで実現せねばならいのか」―という命題について、若手・中堅の精鋭研究者が執筆したものである。 具体的には、有機化学、無機化学、生化学、物理化学、ナノテクノロジー、エネルギー・資源、材料科学、医療・健康・安全、環境、未来課題などそれぞれの領域について夢を語り、個別テーマについて「夢・贈り物」「現状・科学的チャレンジ」「実現に必要な要素」をとりまとめた。研究テーマ数は104テーマにのぼっている。 化学の夢ロードマップは、全体俯瞰図のほか、有機化学分野、無機化学分野、生物化学分野、物理化学分野、ナノテク分野の領域別に5枚のロードマップを作成した。ここでは、2012年を起点に、2020年、2030年、2040年を見据えた夢を提示している。 例えば、有機化学分野で30年後までに実現するものとして「有機電子回路の合成」「細胞治療の実現」「分子認識触媒の開発」など、生物化学分野では「万能ワクチンの実用化」「服用可能な光る検査薬」「遺伝子疾患の根本治療」など、ナノテク分野では「分子直接組み立て」「人工分子機械による医療」「可視光領域でのメタマテリアル実現」―などを挙げている。 研究テーマ数104件が実現すれば、30年後までのわが国のノーベル化学賞受賞者数は、新たに14-15人にのぼるのも夢ではない、としている。 なお、「30年後の化学の夢ロードマップ」の趣旨、概念図、各分野の概要については、日本化学会のホームページで公開している。 |