2012年03月28日
ジェトロ「ミヤンマーの経済展望と潜在性」で講演
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:ジェトロ

を行った。インフラを含めた投資環境にはまだ改善が必要だが、将来的には潜在力が開花していく可能性が高く、ビジネスチャンスが大きいとみる。 

また、すでにいくつかの分野で、経済が始動、資源開発、近隣諸国との経済関係強化、縫製業など労働集約産業の日本・韓国向け輸出増加、公共事業の拡大、国有資産の売却、土地価格の高騰、消費ブーム(自動車、電気製品、携帯電話など)が顕在化している。

これらの限定的な分野の動きをすそ野の広い経済・産業発展につなげられるかは今後の課題で、資源の売り食いに陥らないことが重要である。今後、経済改革が進む中で国際社会からの人的、技術的、資金的な援助が必要。日本の役割は重要であるとしている。

「軍政という霧」が晴れつつあるミヤンマーは、普通の後発開発途上国になる。国の概要としては今から13年後のベトナムを想定する。産業集積度の高いヤンゴンとデルタ、マンダレーと中央乾燥地帯から発展する。農業部の成長は鈍い。

経済は天然ガスの輸出、エネルギー開発への外国からの投資、生産拠点の造成、インド洋へアクセスなどから動き出す。中国の台頭が著しく、経済統合もすすむ。大メコン圏の一つとして中国雲南省、広西チワン族自治区、カンボジア、ラオス、ベトナム、タイとの交流が活発化する。

ミヤンマーの人口は6,119万人、面積は677,000平方キロ、GDP(名目)430億ドル(ベトナムの40%、タイの15%)、1人当たりGDP702ドル。年7%の成長が続くとすれば13年で現在のベトナム、30年でタイの経済規模となる。

対外貿易は輸出が2000年の20億ドルから2008年に3.3倍、09,10年の2.8倍。21世紀にはいってタイ向け天然ガスが急増、31億ドル超となった。また、2013年からシュエ・ガス田からの中国向け輸出が始まる。

輸入は2000年から09年にかけて3.3倍。2010年で100億ドルとの記録があるが定かではない。中国が圧倒的に多く、次いでタイ、シンガポール、マレーシア。4か国で80%を占めている。

主要国の対ミャンマー輸出は2010年に中国が対前年比53%タイが35%、シンガポールが30%、日本が31%増やした。中国からは機械、自動車、電気製品、繊維が、タイからは石油製品、食品、プラスチックが、シンガポールからは石油製品、機械、電気製品、プラスチックが、日本からは機械、自動車が増加した。

日本としては新政権のバランス外交の中で重要性が再浮上している。ミヤンマーの長中期のすそ野の広い経済・産業発展の協力者としての役割である。国境を接しておらず、戦略的な利害が少ない。良好な対日感情、友好国・先進国のイメージで開発パートナーとなりうる。ただし、トップダウンの意思決定、ハイレベルな対話が必要だ。