2012年04月02日
化学各社で入社式、社長訓示も厳しく
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:昭和電工、住友化学、東ソー、三井化学、三菱化学

新入社員を迎えての入社式が2日、各社で一斉に行なわれ、企業トップが「経済環境は厳しいが、チャレンジ精神を発揮してほしい」「行動力で時代を切り拓いてほしい」など期待を込めて訓示した。

化学業界最大手の三菱化学は、石塚博昭社長が「われわれは、地球と人類の存続という壮大なテーマを現実のものとして捉え、時代を切り拓く大きな力が“化学”だと信じて事業活動している」と述べたあと、「グループの協奏への意識と、真のグローバル化・多様化を目指して活躍する人材に成長してほしい」と強調した。

住友化学の十倉雅和社長は、「経営基盤・事業基盤をさらに強化し、世界の化学産業におけるリーディングカンパニーを目指したい」とし、(1)社会から信頼される人(2)グローバルな視野を持つ人(3)志を高く持ち、常に学ぶ努力を続ける人になってほしいと注文をつけた。

三井化学の田中稔一社長は「リーマンショック以降、世界の価値観が激変し、環境・エネルギー・健康・医療・食糧・水などの新しい産業が勃興している。無限の可能性を秘めた化学への期待が高まっている」と指摘したあと“まさに化学の出番がやってきた”と強調。「柔軟な発想と大胆な行動力で、大きな変革を起こしてほしい」と訓示した。

昭和電工の市川秀夫社長は「困難な状況の今だからこそ、果敢に挑戦してほしい。道のりは依然不透明だ。今後に期待している」と一人ひとりに自覚を求めた。経営方針として、「東南アジア、新興国市場への対応を重視している」点を強調し「創造力と行動力が求められている」と期待を込めた。

昨年、南陽事業所で事故を起こした東ソーの宇田川憲一社長は、「これを教訓に安全な化学メーカーとして再建する」と約束した。新入社員に向かっては「製造業は今、円高や高い法人税など厳しい状態にある」と述べたあと、(1)今こそピンチと同時にチャンスでもあるという自覚を持て(2)会社の仕事は一人ではできない。コミュニケーションが大事だ、などとハッパをかけた。