2012年04月06日
産総研、室温で光により液化・固化を繰り返す材料を開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:産業技術総合研究所

産業技術総合研究所は6日、一定の室温状態で光を照射するだけで液化と固化を繰り返す新材料を開発したと発表した。

この材料は、糖アルコール骨格と複数のアゾベンゼン基を組み合わせた液晶性物質を用いたもので、加熱や冷却をせず、波長制御した光を照射するだけで液化と固化を繰り返す性質を持っている。

産総研ではこれまで、室温で結晶状態から光照射によって溶融し、加熱することで元の固体に戻る材料を作り出す研究は行ってきたが、今回は、通常の室温条件で、液化ー固化の可逆的(正逆両方向)な反応を光だけで制御する研究をさらに進め、これが新材料の開発に発展した。

この材料を利用することで、再利用・再作業ができる光制御接着剤など、従来になかった高機能材料の実現が期待できる。また、多くの「省資源・省エネ」プロセスに活かすこともできるとしている。

同技術の詳細は、2012年4月6日(日本時間)、ドイツの科学誌「Advanced Materials」にオンライン掲載される。