2012年04月16日
産総研、人工ダイヤモンド使い室温での光子発生に成功
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:産業技術総合研究所

産業技術総合研究所は16日、大阪大学との共同研究グループが、人工ダイヤモンドを用いて室温で電気的に単一光子を発生させることに世界で初めて成功したと発表した。

今回、ダイヤモンドを材料とし、そこに埋め込まれている炭素原子の抜け穴とし窒素原子の複合体が室温でも安定して発光することに着目、単一光子源として用いて、電流で動作させることに挑戦した。

具体的には、高度な製造技術によって高品質ダイヤモンドの薄い発光層をn層とp層で挟み、発光層に電気が流せるLED素子を作製した。さらに、光子相関法などの精密な測定法により、単一光子源として世界で初めて室温で電気的に動作していることを実証した。

世界トップレベルの技術の融合により、単一光子源で課題となっていた極低温やレーザーを使用する際の問題を克服し、量子暗号通信の省エネ・低コスト化への道が開かれたことになる。