2012年04月18日
慶大、レアメタルフリーの新しい有用物質合成法を開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:科学技術振興機構

科学技術振興機構(JST)は18日、慶應義塾大学が導電性ダイヤモンドを電極とした有機電解反応による物質合成法を開発し、白金などのレアメタルを使わずに有用物質を合成することに成功したと発表した。JST課題達成型基礎研究の一環として開発した。

有機合成、とくに医薬品合成にはパラジウムやクロム、白金などに代表されるレアメタルを使用するが、近年その供給不安が問題となっていた。このため、メタルフリーな代替手法の開発が望まれていた。

慶大の研究グループは、ダイヤモンドにホウ素を加えて導電性を与えたダイヤモンド電極を用いて有機電解反応を行った結果、レアメタルや既存の炭素材料とは異なる反応性を持ちことを明らかにし、さらにこの技術を応用することで天然有機化合物や人工抗炎症物質を合成することに成功した。

この技術により合成される物質は、アルツハイマー病治療薬や生活習慣病改善につながる新しい薬剤の開発に役立つことが期待される。