2001年01月23日
旭硝子、顔料対応インクジェットプリンター用校正用紙を発売
顔料タイプで低コスト・カラーマッチングを可能に
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:旭硝子、セイコーエプソン

 旭硝子は23日、顔料対応インクジェットプリンター用校正(プルーフ)用紙(商品名:ピクトリコプルーフDCP3コート紙)を開発、販売を開始した、と発表した。
 今回発売した製品は、印刷業界向けに簡易・低コストでカラーマッチングを可能とするもので、今後大きな伸びが期待される顔料タイプのインクジェットプリンターに対応可能で、印刷用本紙をベースペーパーに使うことで、色校正の際印刷物の仕上がりが確認しやすくなる。
 印刷業界では完全デジタル化が進み、フィルムを介さずデジタルデータから直接刷版を作成する方法が主流となりつつある。特にオフセット印刷の場合に、低コストで色・質感などが最終印刷物と同等のプルーフを可能にするシステムがなく、高価な機材や工程の複雑なシステムを採用せざるを得なかった。また、今後のカラープルーフではインクジェット式カラープリンターを用いたシステムが主流と期待されているが、染料プリンターでは印字直後の色が経時変化する欠点があり、一方の顔料プリンターでは経時変化は少ないものの、これに対応する用紙が存在していなかった。
 具体的には、プリンター業界最大手のセイコーエプソン、ローランド、ディージーなど各社の顔料プリンターで印字が可能なほか、既存の顔料プリンターでの印字も可能。また、同社独自技術の透明なインクジェット受容層をコーティングすることで色味・光沢感・触感などが実際の印刷用本紙に近くなる。
 同製品の販売は同社インクジェットメディア販売子会社のピクトリコが担当、用紙だけでなく、プルーフに欠かせないRIP(Raser Image Processorの略。デジタル画像を処理する機能を持つソフトウェア)も含めたトータルなシステムとして提供、2002年に20億円の売上を目指す。
 なお、同社では2月7日から9日まで東京・池袋のサンシャインシティで開催されるデジタルパブリッシング技術総合展「PAGE2001」に出展、これらシステムを紹介する予定。