2012年05月09日
富士フイルム、レーザー光源搭載の新世代内視鏡システム開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:富士フイルム

富士フイルムは9日、内視鏡検査に使用する光源にレーザーを用いた新世代内視鏡システムを開発したと発表した。

独自のレーザー制御技術を応用して、2種類のレーザー光を自在にコントロールし、画像処理技術と組み合わせることで、粘膜表層の微細血管などを強調した画像観察を可能とした。がんなどの病変部の視認性が向上した。

同社は今後、内視鏡システムの最上位シリーズ「LASEREO(レザリオ)」として、商品化する予定。
5月12日から東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪で開催される「第83回日本消化器内視鏡学会総会」共催セミナーで、詳細発表する。

従来のハロゲンランプやキセノンランプなどの白色光源を用いた内視鏡検査では、粘膜表面の微細な変化を捉えることが難しいとされてきた。今回開発したシステムには、波長の異なる「白色光観察用レーザー」と「狭帯域光観察用レーザー」の2種類のレーザーを搭載。この光によって、粘膜表層の微細血管やわずかな粘膜の凹凸などのコントラストを強調したシャープな画像を映し出すことに成功した。

微小な病変を観察するのに適しているところから、将来的には病変の形態診断だけでなく、腫瘍による組織の酸素消費の変化など、機能診断が可能となるシステム開発を目指す。