2012年05月09日
昭和電工、山口大学と共同で「LED植物工場」新栽培法開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:昭和電工

昭和電工は9日、山口大学との共同研究により「LED植物工場」での新たな栽培法を確立したと発表した。
昭電が製造するLED素子を用いて植物育成に最適な光照射を行い、出荷サイクルの短縮および収穫量の増大を可能としたもので、今後は同栽培法のライセンス供与を通じて、安全安心なLED植物工場の普及を図る。

植物の生育には光応答との関係が重要だが、LED照明は、発光波長幅が他の光源に比べて狭いため、植物の光応答に適した波長を選択的に照射できる。

同社はこのほど山口大学農学部(執行正義教授)と共同で、植物の生育に最適なLED照射方法(Shigyo法)を確立した。

LEDを用いた光源には、蛍光灯と比較して(1)消費電力を約3分の1に抑えられる(2)発熱の影響を受けずに高い光量が得られる(3)従来の葉菜類から果菜類・穀物までの栽培が可能となる、などのメリットがある。

だが、初期投資額が蛍光灯と比べ大きいため、本格的導入には、投資回収期間の短縮が必要だった。

今回、執行教授らと栽培実験した結果、同じ育成期間で葉菜類の収穫量が通常の蛍光灯などと比べて、最大で3倍に増加したことが確認された。これにより消費電力の抑制、収穫量の増加という両面の効果が得られ、LED植物工場の普及に道が開けた。

また、Shigyo法は、藻類培養にも有効で、今後は藻類を用いた有用物質製造やバイオ燃料生産への応用も期待できるとしている。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1336529335.doc