2001年01月22日
米国の天然ガスの先物相場が下降
100万BTU当たり7ドル以下に
【カテゴリー】:海外
【関連企業・団体】:三井物産

 三井物産など大手商社筋によると、記録的な高騰を続けていた米国の天然ガスの先物相場が頭を打ち、反落し始めた。週末のニューヨーク・マーカンタイル取引所における先物の平均は100万BTU当たり7ドルを若干割り込んだ模様。
 米国の天然ガスの先物価格は昨年秋口からにわかに高騰、従来の同3~4ドルの相場が11月には一気に9~10ドルまで跳ね上がった。これは、原油の急騰とヒーティングオイルの在庫の払底、それと米国を襲った未曾有の大寒波とによってもたらされたもので、このため米国のメタノールメーカーの間には原料不足と採算割れが重なってプラントの操業停止に追い込まれるところが相次ぐ事態となっていた。また、原料を天然ガスに依存する多くの石油化学企業も極端な操短に踏み切る構えにあった。
 こうした中で天然ガスの相場が下降傾向に転じ出した背景は必ずしも明確でないが、一つには、イラクによる原油の増産と輸出再開が必至との観測が原油の国際市場に急速に広がってきたこともあって原油の需給バランスと相場に関する関係者の心理不安が解消に向かい始めたことが大きいと分析する向きが多い。このままいけば、米国の石油化学企業が軒並み操業の中断に追い込まれるという異常事態は避けられると見られる。