2012年05月16日 |
プラ処理協、廃家電プラの石化原料化で成果発表 |
【カテゴリー】:環境/安全 【関連企業・団体】:プラスチック処理促進協会 |
プラスチック処理促進協会は16日、使用済み家電混合プラスチックの石油化学原料化プロセス開発成果を発表した。 廃家電プラは、シュレッダー(SD)処理し、磁力選別・非鉄選別の後にSD混合プラスチックとして埋立・焼却されていたが、近年ではそのままの状態で安価に中国に売却されるようになった。しかし、その継続性に不安を抱えていることからプラ処理協では、SD混合プラスチックの付加価値向上を目的に石化原料化プロセスの技術開発に取り組んでいた。 開発した新油化技術(廃FCC触媒による接触分解油化)は、 (1)塩基性窒素除去は活性白土や硫酸洗浄が有効。 (2)高価に売却できるABS樹脂やポリウレタンを除去した4家電混合プラスチックを大型実証設備で接触分解し、それを活性白土処理することで開発目標(油化率80%、ナフサ留分得率50%以上、塩素濃度100トンppm以下、塩基性窒素500トンppm以下)を達成した。 (3)近赤外選別機でABSは重度99%、回収率80%以上で開発目標を達成した。 また、大型実証試験により、1装置で日量7万バレルの処理能力で試算した結果、年間4万トンの対象プラスチックから得られる接触分解油を処理可能と予想した。 油化システムの経済性では、 (1)近赤外線ABS選別工程は、設備費4500万円で年間収益が700万円であるため投資回収は6.4年。 (2)接触分解油化工程は、設備費4500万円で年間収益2100万円のため投資回収は2.2年。 (3)システムの経済性は、設備費が9000万円、年間収益が2800万円のため投資回収は3.3年。 ―となり、最終油化システムの経済性は良好との結論に達した。 |