2012年05月21日
旭化成、2012年度に1000億円投資し収益構造改善
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:旭化成
藤原健嗣社長

旭化成の藤原健嗣社長は21日、2011-2015年度の中期経営計画「For Tomorro 2015」の進捗状況を発表した。
同社は、同中計で2015年度の売上高2兆円、営業利益2000億円、純利益1100億円の達成を目指しており、このために5年間で総額1兆円を投じる方針である。

初年度の2011年度には3000億円相当の投資案件を決定した。
このうち既存事業案件は約1000億円。ケミカル・繊維関連事業で、シンガポールの溶液重合法スチレンブタジエンゴム(S-SBR)工場の新増設や、韓国アクリロニトリル(AN)工場増設。住宅事業でフェノールフォーム断熱材工場増設。またエレクトロニクス事業で中国に感光性ドライフィルムレジスト工場新設などに取り組む。

次に新規事業では、米国の救命救急医療機器大手のZOLL Medical社の買収、米国Crystal IS社の買収によるリチウムイオンキャパシタ合弁の設立などに約2000億円の投資案件を決めた。

一方、2012年度以降の戦略では、「グローバルリーディング事業の展開」と「新しい社会価値の創出」戦略を確実に進めるとともに、事業基盤を強固なものにするために収益構造の改善を図る。このため、2012年度は、既存事業に約1000億円を投資する。

とくに、クリティカルケア(救命救急)への本格参入を中計でも新たな成長領域と位置付け、ZOLL事業と既存の医薬・医療事業を合わせたヘルスケア事業領域で2020年には売上高5000億円、営業利益率15%の達成を目指す。