2012年05月21日
カネカ、新規高熱伝導性樹脂材料を開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:カネカ

カネカは21日、熱可塑性樹脂そのものを高熱伝導化する技術を開発し、この技術を応用して高熱伝導性、良成形性、低比重、電気絶縁性を兼ね備えた樹脂材料を開発したと発表した。

同社は、独自の分子設計と高次構造制御によりベース樹脂を高熱伝導化し、少ないフィラー添加量で樹脂材料を高熱伝導化する技術を開発した。熱可塑性樹脂でこのような技術は世界初である。この技術の適用により、汎用樹脂と比較した際、同等の熱伝導性を発現させるのにフィラー添加量を20%削減できる。

これにより、従来技術では困難であった10Wm-1k-1以上の高熱伝導性または厚み方向への高熱伝導性を有する、成形加工性の良好な樹脂材料の設計が可能となった。また、ベース樹脂は、植物由来度50%強のバイオマスポリマーであるためカーボンニュートラルの実現にも寄与する。

新技術をベースにした新グレードを積極展開し、5年後の売上高約20億円を目指す。

この技術内容は、5月29日から横浜市のパシフィコ横浜で開催される第61回高分子学会年次大会で発表する。