2012年05月28日
石化能力調査、塩ビ樹脂業界に新たな動きも
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:ヴイテック、カネカ、東亞合成

経産省化学課が発表した主要石油化学製品の能力調査で、「塩化ビニル樹脂」業界に大きな動きがあったことがあらためて分かった。

カネカの生産能力が201年末の年産411千トンから今回377千トンに減少したことがその1つ。
同社によると塩ビ工場は高砂に295千トン、鹿島に116千トンで、設備そのものに変更はない。ただ、鹿島工場では特殊タイプ品の生産比率を高めていくことにしたため、その分従来品の生産能力が低下する。

だがカネカは昨年4月から東亞合成(川崎・120千トン)に塩ビ樹脂の生産委託を行っており、これが軌道に乗ってきた。このため3工場合わせた供給能力は497千トンと大きく増加したことになる。

東亞合成は昨年3月、ヴイテックが塩ビ事業から撤退する際、ヴイテックから川崎工場の120千トン設備を引き取り、全量カネカ向けに受託生産を行なっている。

ヴイテックは川崎に120千トン、水島に800千トン、計200千トンの塩ビ樹脂設備を持っていた。このうち120千トン分の設備が“有効活用”されたことになる。

国内トップメーカーは大洋塩ビ(558千トン)、第2位は信越化学工業(550千トン)で、カネカの3位はこれまでと変わらない。