2012年05月31日
シャープ、太陽電池セルで集光時世界最高効率43.5%達成
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:シャープ、NEDO

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は31日、シャープがNEDOの革新的太陽光発電技術開発プロジェクトの一環として、世界最高の集光時セル変換効率(光エネルギーを電気エネルギーに変換する割合)43.5%を化合物3接合型太陽電池で達成したと発表した。

この成果により、同プロジェクトの目標達成時期が前倒しされ、超高効率太陽電池の早期実用化が期待される。

現在、導入されている太陽電池の約80%を占めるシリコン結晶の太陽電池は、市販製品で最高20%程度の変換効率を有している。太陽光発電を更に普及させていくには、狭い面積でも十分な発電量が得られるように、変換効率を向上させていくことが重要なポイントとなっている。

NEDOは、将来の高効率太陽電池の一つである化合物太陽電池の開発をシャープに委託して進め、2010年9月までに化合物3接合型太陽電池で集光時セル変換効率42.1%まで高めることに成功していた。

今回新たに、受光面の電極間隔を最適化し電気抵抗を最小限に抑えることで、太陽電池の最大出力が向上し、変換効率アップを実現した。

今後は、プロジェクト目標である「モジュール変換効率40%超」達成のため、更なる効率向上を進めるとともに、実用化に向けたコスト低減などの技術開発を進めていく方針である。