2012年06月04日 |
三菱化学とパイオニア、塗布成膜法有機EL素子開発、量産化へ |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:パイオニア、三菱化学 |
三菱化学とパイオニアの両社は4日、発光層を「塗布」プロセスで成膜した有機EL素子の開発に成功したため、量産技術確立に向けた検証設備を設置すると発表した。 現在、有機EL照明パネルは、「蒸着」成膜プロセスによる製造が一般的だが、発光性能を上げるため、発光層を複層化するなど、複雑な構造となっている。このため、面積が広く均一発光面のパネルを低コストで量産するには、「塗布」成膜プロセスでの製造が有利とされてきた。 今回、開発に成功した有機EL素子には、三菱化学が開発した発光材料を使用。 三菱化学科学技術研究センターとパイオニアの両社が、塗布成膜プロセスによる有機EL照明パネルを共同開発し、実用レベルの長寿命と高効率化を達成した。 白色輝度1,000 カンデラ(cd)/平方メートルあたり白色型で「5.7万時間」(輝度寿命70%)の長寿命と、発光効率の高効率化を実現した。 これらの成果を踏まえて両社は、塗布成膜プロセスの有機EL照明パネル量産技術確立に向けて、検証設備の設置を決めた。2012年夏の稼動開始に向け、東北パイオニア米沢事業所(山形県米沢市)に設置する。G1ガラス基板サイズ(40cm×30cm)での照明パネル試作と性能評価を行い量産技術の早期確立を目指す。 これらの費用には一部経済産業省の「イノベーション拠点立地推進事業/先端技術実証・評価設備整備費等補助金」を充てる。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1338784466.pdf |