2012年06月12日
三菱ケミカル4社の中計進捗状況
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三菱化学、三菱樹脂、三菱レイヨン、三菱ケミカルホールディングス

三菱ケミカルホールディングス4社(三菱化学、田辺三菱製薬、三菱樹脂、三菱レイヨン)が12日発表した経営状況および基本戦略は次の通り。

<三菱化学>
石油化学事業の再編・再構築が大きな柱である。国内のエチレン生産500万トン時代に備えて、鹿島第1エチレンを休止し第2エチレンの分解炉を5万トン分増強して年産88万トン体制から54万トン体制でのフル操業により基幹事業の強化を目指す。誘導品については、C2(エチレンオキサイド、ポリエチレン)系、C3(ポリプロピレン)系、C4系の高度化を図る。また、水島地区でもエチレン事業を旭化成との連携で一本化し、構造改革に取り組む。

<田辺三菱製>
ヘルスケア事業で三菱化学、三菱樹脂、三菱レイヨンとの連携・協奏を加速化し、新規事業を創出する一方、人工炭酸泉でもグループ各社との連携を強める。2011年度は売上高4071億円、営業利益690億円だが、目標の2015年度にはそれぞれ5000億円、1000億円に向け着実に増加させる方針で、2012年度には4290億円、700億円を予想している。

<三菱樹脂>
今後の施策は、成長が見込まれる中国市場への拡販、タッチパネルや太陽電池など非FPDアイテムの拡販、プロダクトミックスの改善にも取り組む。とくに中国市場では、成長が見込まれるFPD用ポリエステルフィルムでナンバーワンを目指す。アルミナ繊維の生産体制も2015年までに7割増の6000トン体制に拡充する方針である。次世代アグリビジネスについても、中国展開を加速させる方針である。

<三菱レイヨン>
国際的なMMAチェーンのプロジェクト計画を着実に推進しており、世界レベルの基盤強化を図る。炭素繊維事業でも自動車用途での複合材料のCFRP技術を確立する。家庭用浄水器分野では、三菱化学グループとの連携で海外での販売拡大を目指す。また、中国での排水処理事業の競争力強化も大きな課題となっている。中国での事業拡大に尽力する。

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