2001年01月17日 |
宇部興産とウィンテックポリマー、PBT事業移管で合意 |
3月末めど/宇部興産はナイロン事業に注力 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:ウィンテックポリマー、宇部興産、クラレ、帝人、ポリプラスチックス |
宇部興産とウィンテックポリマーは17日、2001年3月末をめどに宇部興産のPBT(ポリブチレンテレフタレート)事業をウィンテックポリマーに移管することで合意した、と発表した。また宇部興産と合弁で事業を展開しているクラレも事業移管することで合意している。 宇部興産とクラレは、1992年に折半出資によりPBT生産会社ケーユーポリマーを設立してPBT市場に本格参入、現在両社で年間2,500トンを販売している。 PBTの需要は、日本が8~9万トン、日本を除くアジア太平洋地域で9~10万トンと推定されており、一大市場へと成長している。最近では、IT関連の需要が旺盛で、2000年には15%と高い成長を示した。しかし、PBT市場は、エンプラ業界の中でも特に多くのメーカーが競合しており、最近になって各社の増設や事業提携が相次ぎ発表されるなど、世界的に競争が激化していく中で各社が生き残り戦略を模索している。 このような状況下で宇部興産は、「集中と飛躍」をキーワードに事業の再構築を強力に推進する方針を打ち出しており、エンプラ事業についてはナイロン樹脂に経営資源を集中する考え。今回のPBT事業移管により創出される経営資源をナイロン事業にシフト、国内トップメーカーとしての地位をさらに強固なものとすべく事業基盤を強化する。具体的には、グローバル供給体制の整備や、今後成長が期待できる自動車部品のモジュール化に対応した開発体制の強化、さらには合理化やコストダウンによる競争力強化に全力を上げる、としている。 一方、ウィンテックポリマーは、ポリプラスチックスと帝人のPBT事業を統合・継承、日本で40%のシェアを有するトップメーカーとして、5日から営業を開始したばかりだが、今回の事業移管により事業基盤をさらに固めるとともに、業界再編を一層加速するものと期待している。 ウィンテックポリマーは、両親会社のPBTを当面「ジュラネックス(ポリプラスチックス)」、「テイジンPBT」のブランド名を継承して販売する方針で、今回事業移管を受ける宇部興産のPBTについても同様、「UBEPBT」を引き継ぎ、ユーザーへの供給を行っていく考え。 |