2012年06月13日
東ソー事故調査委・報告書「工場現場の“理解度”重要」
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:東ソー

東ソーは13日、2011年11月13日に発生した、南陽事業所(山口県)第二塩ビモノマー(VCM)製造設備の爆発事故について原因解析や対策などを検討していた、事故調査対策委員会(委員長、鯉江泰行常務)の報告書がまとまったと発表した。

委員会は爆発・保安関係の外部学術・専門家5人と、東ソーの製造分野責任者5人で構成。約6カ月にわたり、9回の委員会を開催し、事故原因の特定や再発防止策を検討してきた。報告書はA4判37ページ。

この中で、事故原因について、“いくつかの事象を経て発生した”とし、「まずオキシ反応工程(A系)の緊急放出弁の故障により、同反応工程が停止した。その大幅なロードダウンの影響によって、VCM精製工程中の塩化水素(HCL)蒸留精製設備の運転状態が変動し、対応不備によって塩酸塔の塔頂のHCL中にVCMが混入した」と指摘。

「これが原因となってプラントの全工程が緊急停止し、さらにHCLとVCMの混合液が触媒となり、内部圧力の異常上昇から爆発と火災を起こした」と解析している。

また、今後の対策については、“工場現場運転員の理解度や情報・コミュニケーションの重要性”などの点を指摘し「早急に取り組むべき施策」とした。さらに「安全の基本は思いやりの心であり“人づくり”が最重要となる」と説いた。

<早急に通り組むべき諸施策>
(1)信頼され誇りの持てる事業所づくり
 製造部門、とりわけ運転員が抱える不安感は、製造設備や生産技術に関する理解度や情報の不足、適切なコミュニケーション不足などに起因している。保安活動への取り組みにも意義・目的などへの説明不足が背景にある。事業所長は各再増部門、管理部門を統率し、適切な対策を講じていかなけれはならない。
(2)安全を担保する事業所体制
(3)地域社会とのコミュニケーションの積極的推進
(4)安全文化醸成のレビュー


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1339565720.pdf