2001年01月16日
アジアのPS需要、2001年は中国中心に441万トンと6%増加
90年代の世界需要は平均3.6%成長し1,000万トン超に
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

 日本スチレン工業会は、アジアの中期PS(ポリスチレン)需要予想および1990年代における世界需要推移をまとめた。これによるとアジア域内のPS需要は、2001年に6%増加、441万6,000トンに拡大する見通しだ。また、世界需要は1990年代の10年間で平均3,6%成長、1999年ですでに1,000万トンを超えている。
 アジアのPS需要は、1990年代初頭の230万トン規模から、7%前後の急成長が続いた後、1997~98年の通貨危機により停滞、中国以外の多くの国で需要が減少した。1999年に一転して2桁の成長となり、2000年はその反動で2%前後の成長にとどまったと見られる。ただし、日本を含め2001年以降は年率6%前後の伸びに移行すると推定されている。
 国・地域ごとに背景はことなるものの、欧米向け家電、OA機器等の生産基地としての役割がさらに強化されること、また所得向上につれて包装用等の純内需の増加が考えられる。PS樹脂の段階における需要増の多くは中国によるものであり、最終製品段階では北米向けの製品輸出に依存する所が大きい。過去、アジアでは需要が急成長する中で過大な設備投資が見られたが、現在は大型の設備増強、特に輸出を目的とした新増設は困難であり、中国の自給化のみが予想の範囲となっている。
 主要国の予想を見ると、2001年の内需は、中国が7%増、韓国5%増、台湾6%増となっており、さらにタイは4%増、マレーシア5%増、シンガポール5%増となり、アジア地域全体では6%成長、域内の設備稼働率も85%前後は期待できる。さらに2002年も6%増加、466万2,000トンに拡大すると見られる。
 また、同工業会は、1990年代の世界需要についても分析している。世界需要は1990年の735万トンから、1995年には852万トンに拡大、1999年には1,010万9,000トンとついに1,000万トンの大台に乗り、平均で3.6%成長した計算になる。中でもアジアの需要は、10年間で1.8倍の400万トン規模に拡大、世界の需要増加分の3分の2を占めている。2000年の世界需要は、高成長となった1999年の反動から小幅な伸びにとどまったと見られるが、特に米州が不振であったことからアジアのウエイトがさらに拡大していると予想される。

http://www.c-nt.co.jp/cgi-bin/passFile.cgi?FILE=data/miti/2001PSA>アジア地域・主要国別PS中期需要予想(表)
http://www.c-nt.co.jp/cgi-bin/passFile.cgi?FILE=data/miti/PSW90s>1990年代における世界のPS需要推移(表)
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