2001年01月16日
日本スチレン工業会の松上会長、2001年の課題など語る
健全なスチレン工業確立のため5つのテーマに注力
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

 日本スチレン工業会の松上孝会長は16日の記者会見で、「健全なスチレン工業の確立」を目指し、今年注力する5つの課題などについて語った。大要は次の通り。

 昨年6月、煤孫前会長(エー・アンド・エム スチレン社長)の後を受けて会長に就任したが、これまでの苦難の時期に前会長が努力して頂いたため、最低限度は産業として成り立つようになった。前会長の流れを受けて今後も努力していきたい。
 2001年の工業会の課題として、(1)法的透明性の徹底、(2)“健全な収益の確保”、(3)国際レベルの健全な競争力あるコストの達成、(4)安全・衛生・環境適合を全うする健全樹脂、(5)関連原料産業・製品産業との健全な共存共栄、の5つを挙げたい。
 (1)は、私が就任した時の大前提であり新たな課題ではないが、誤解を受ければ関連産業にも迷惑をかけることになるため、従来以上により透明性を増し、“疑わしきもなし”という状況を目指したい。
 (2)は、再投資が可能で、ユーザーが安心して使うことができるようにするため、さらに努力していきたい。この間汎用石油化学は赤字が当たり前という考えが浸透してしまっているが、安全への投資もできないようではいけない。
 (3)に関して、不健全なコストは不健全な収益しか生まない。徹底したコスト削減をはじめとした各社の努力が実ってきており、この2~3年間を見ても飛躍的なコストダウンが実現している。人件費や物流費など日本の高コスト構造のハンデはあるが、これを克服し、世界レベルをしのぐコストを達成したい。
 (4)については、昨年環境ホルモンリストの67物質から除外されたが、今後も自信を持って価値ある樹脂の実態について、広く社会に対し理解して頂きたい。環境リサイクルについても充分な対応ができるよう努力していく考えだ。
 (5)に関し、もはやいずれかの産業が犠牲になるという時代ではない。これは自助努力のテーマでもあるが、正しい市場というものが成立するようにならねばならない。そのためには我々もある程度は吸収できるよう努力が必要だし、数量や価格が乱高下することは周辺産業にも迷惑をかけかねない。
 とにかく、これらの課題を一瞬の気の緩みもなく実行していきたい。