2001年01月16日
PSの内需、今年は2%増の104万4,000トンを予測~工業会まとめ
1999年レベルに回復/2002年には電機・工業用で7%の成長見込む
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

 日本スチレン工業会は16日、日本のPS(ポリスチレン)中期需要予測をまとめた。これによるとY2K問題の反動により2%減少した2000年に対し、2001年は104万4,000トンと2%増加、一昨年のレベルに回復すると予測している。
 内需については、1999年実績から2002年までの3年間における平均伸び率は1.2%で、2000年はマイナス成長となる見通しだが、1999年末にY2K問題により約1万トンのミレニアム特需があったため、これを考慮すると実質横ばい推移と見ている。
 用途別に見ると電機・工業用(家電製品、電子製品、カセットなどのソフトウェア類、OA機器など)は、最終消費が堅調であるもののエンドユーザーの海外移転が続いている。今後も移転は続く見通しだが、2001年以降はテレビをはじめとした複合製品がデジタル化時代を迎えることから需要増が期待でき、特に2002年は7%の増加を予測している。包装用(OPS(ニ軸延伸ポリスチレン)やHIシートなどのシートもの、乳酸菌飲料容器、その他射出成型容器など)は、比較的景気変動に左右されにくく需要の下支えとなっており、特にOPSは透明感や硬質等の特性が現在のトレンドとマッチして伸長している。今後もコンビニエンスストアの増加や個食化の進展から2001年、2002年とも3%増を見込んでいる。
 雑貨(家庭用品、玩具、文具等、)・産業用は、玩具を中心とした海外生産移転、少子化、製品の小型化などの影響を受けやすいものの、用途が広範で一部新製品の需要も期待できることから微増を予測している。FS用(食品包装主体のPSP(ポリスチレンペーパー)用と建材、断熱材向けの押出発泡ボード)は、これまで高い伸びを示してきたが、PP(ポリプロピレン)など他素材へのシフトや薄肉化が進むと見られている。ただし、PSPは、容器包装リサイクル法の施行が好材料であるほか、品質要求の問題も解決の方向にある。また押出発泡ボードも省エネのトレントと合致しており、成長率は1~2%に鈍化するものの引続き増加していく見通し。
 輸出入については、ともに2000年と同レベルで推移すると予測している。輸入は2万トン台で推移しているが、ポリオレフィンなど他の汎用樹脂と比べ関税率引き下げの影響が少ない(現行7.9%→2004年までに6.5%に引き下げ)こと、主力の難燃用途の使用量の減少、特恵対象国の変更などにより部分的に減少していくと見ている。一方輸出は、アジア市場の拡大や域内で輸出型の新増設がないこと、また日系ユーザーの需要などを考慮すれば1999~2000年の14~15万トンレベルを維持できる、としている。

http://www.c-nt.co.jp/cgi-bin/passFile.cgi?FILE=data/miti/2001PSJ>日本の中期PS需要予測(表)
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