2012年06月21日
理研、他人の価値観を理解する脳機能を世界で初めて解明
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:理化学研究所

理化学研究所は21日、fMRI(機能的核磁気共鳴画像法)実験により“他人の価値観”を理解する脳の仕組みを世界で初めて科学的に解明したと発表した。

理研の脳科学総合研究センターは今回、「シミュレーション説」「行動パターン説」それぞれの説の脳計算モデルを構築し、他人の価値判断を予測するfMRI実験を行った。モデルの挙動と行動データの比較から、2つの説を統合した脳計算モデルが最も適切であることを突き止めた。

これは、脳計算モデルとして具体化された2つの学習が異なる脳領域で処理されることを示している。同センターの中原裕之チームリーダーは「私たちが、多様な価値観を持つ他人に応対できるのは、この2つの脳機能が補完し合うからだろう」とコメントしている。

この研究成果は、将来、対人関係障害などの精神疾患の究明や、多様な価値観を読み取る機能を持ったコンピューターやロボットの開発につながると期待される。