2012年06月27日
経産省など3省、温室効果ガス国内クレジット制度統合 13年4月スタート
【カテゴリー】:環境/安全(行政/団体)
【関連企業・団体】:環境省、経済産業省、農林水産省


経済産業省、環境省、農林水産省は、温室効果ガスの削減量をクレジットとして認証する制度である国内クレジット制度とオフセット・クレジット制度(J-VER制度)を統合し2013年4月から新制度をスタートさせる方針を固めた。

国内クレジット制度は、中小企業等の低炭素投資を促進し、温室効果ガスの排出削減を推進するため、経産省、環境省、農水省の3省を事務局として2008年10月にスタートした。

一方、J-VER制度は、国内における排出削減・吸収を促進するため、国内プロジェクト由来の排出削減・吸収量をオフセット・クレジット(J-VER)として認証するもので、2008年11月に環境省が開始した。両制度ともに京都議定書の約束期間である2012年度末に制度のいったんの区切りとしていた。

これまでの検討の結果、新制度の理念について、次の4点に絞り込んだ。
(1)現行の両制度の優れる点を取り入れ相互補完し、多様な主体が参加できる制度とする
(2)環境の観点から信頼が得られる制度とし、使いやすく適用範囲の広い制度とする
(3)地域活性化につながるような制度とする
(4)国際的に評価され、海外の取り組みでも参考とされるような内容とする

また、両制度の統合により、1つのプロジェクトで得られたクレジットが二重に使われるダブルカウント問題については、適切な措置を検討するが、2013年以降の関連制度の内容が明確になった際に、妥当性について確認する方針である。

新制度の運営体制については、制度運営と方法論を承認する委員会と、個別プロジェクトの承認とクレジットの認証を行う委員会の2つを設置する方向となった。

現行制度で承認された方法論、プロジェクト、その事業から創出されるクレジットの新制度での取り扱いについては、原則として継続される。

新制度の期限については、2020年度までとし、2021年以降については改めて検討する。

3省では、7月下旬に「新クレジット制度の在り方」をまとめ公表し、12月以降に新しいクレジット制度の運営委員会で運営規則の報告や方法論の審議・承認を行い、2013年4月から新しいクレジット制度の開始につなげる方針である。