2012年07月13日
理研と横浜市大、難治性骨疾患「短体幹症」の原因遺伝子発見
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:理化学研究所

理化学研究所は13日、横浜市立大学との共同研究で、脊椎の異常により体幹の短縮を起こす1型短体幹症の原因遺伝子がPAPSS2遺伝子であることを世界で初めて発見したと発表した。

研究グループは、3人の患者の家系を詳細に検討し、常染色体劣性遺伝の遺伝形式をもつ1型短体幹症の家系であることを確認した。3人の患者のゲノムを広範囲に調べた結果、3人に共通する遺伝子変異としてPAPSS2遺伝子の1塩基の挿入変異を発見した。

PAPSS2は、軟骨の代謝に重要な役割を果たす酵素として知られており、この変異はPAPSS2の機能を喪失させると考えられる。家系内でこの変異を調べると、遺伝形式に対応して変異が伝わっていることが確認できた。

今後、PAPSS2の解析により1型短体幹症の遺伝子診断や保因者診断が可能になる。また、PAPSS2の機能解析を通じて、短体幹症の病態や軟骨代謝の機構の理解が進み、短体幹症やそれに類する疾患に対する有効な治療法が開発されることが期待される。