2012年07月17日
高見澤スチレン工新会長「積極的に政策提言」 上期実績
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会
会見する高見澤博之新会長

日本スチレン工業会は17日の定例会長会見で、6月25日に新会長に就任した高見澤博之・PSジャパン社長が会見で「エチレン生産が750万トンから3分の2の500万トンになると指摘されているが、ポリスチレンも同じ傾向を歩んでいる。内需見合いの生産をしているためで、厳しい状況が今後も続く」としたうえで、「(輸入品とは違う)国産品の良さをPRしていき、需要喚起を図る必要がある。そうした取り組みとともに、政策提言を積極的に行っていきたい」と抱負を語った。

同日、ポリスチレン(PS)とスチレンモノマー(SM)の6月および2012年上半期(1-6月)の生産出荷実績を発表した。

6月のPS生産は、4万2935トン、前年同月比30%減で2月以来の5万トン割れとなり、上半期実績も32万1632トン、前年同期比16%減となった。これについて高見澤会長は「円高を背景にPS輸入の急増が続いており、減少した内需(国内出荷)見合いの生産に各社が徹しているためである」と指摘した。

今年1-5月のPS輸入は、昨年同期の2万5000トンから3万8000トンに増加しており、「今年は8万5000トンから9万トン(昨年実績は6万5000トン)になるのではないか」(高見澤会長)と予想している。「現在の為替の円高局面に変化がないかぎり、輸入増の流れを止めるのは困難」(同)と見ている。

6月の国内出荷は4万9821トン、同17%減で今年に入って3度目の5万トン割れである。主力の包装用が同11%減と振るわなかったうえ、復興需要が期待されたフォームスチレン(FS)が空振りで、8カ月連続の前年割れとなった。上半期実績でも、雑貨産業用を除き前年割れとなったため、31万2542トン、同10%減となった。

月末在庫は、需要見合いの生産に徹しているため6万4093トン、前月比1%減で、在庫水準も1.2カ月分で前月より0.2カ月分減少したが、「若干、高い水準にある」(同)としている。

一方、6月のSM生産は、20万2264トン、同5%減、内需が10万4348トン、同17%減、輸出は7万9709トン、同1増と昨年11月以来のプラスとなったものの5カ月連続の10万トン割れと、実質低迷が続いている。出荷合計は18万4057トン、同10%減で15カ月連続の前年割れとなった。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1342506216.pdf