2012年07月17日
帝人、外販用DMT設備を年産10万トンに倍増
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:帝人

帝人は17日、石油化学原料であるテレフタル酸ジメチル(DMT)の外販用生産設備を年産5万トンから10万トンに倍増することを決定したと発表した。投資額は約10億円で、松山事業所のDMT工場で外販用の生産出荷設備を1系列増設する。今年10月に着工し2013年4月に稼働開始の予定。

同社は、1964年に帝人グループが製造販売するポリエステル繊維、ポリエステルフィルムに用いる原料としてDMTの生産を開始した。現在、年産23万トン規模、外販用DMTの生産能力は年間5万トンとなっている。

世界市場では、DMTメーカーの数は減少傾向にあり、中でもDMTを外販するための体制を整えているメーカーは数社に限られている。

かつてDMTはポリエチレンテレフタレート(PET)原料として広く利用されていたが、現在では大型化が進んだテレフタル酸(PTA)が汎用PET原料の主流になっている。その一方でDMTは、「低温での機能粒子添加が可能」「溶剤に溶けやすく反応させやすい」「中性であることから添加剤の機能阻害などが少ない」などの固有の特性を活かした用途が明らかになってきた。こうした分野での需要の伸びが期待できることから、外販用DMTの生産能力増強を決定した。

今回の設備増強により同社は、外販用DMTの生産規模で世界トップクラスとなるため、現在の売り上げ規模約50億円を2016年には約3倍に拡大する計画である。