2012年07月26日
ユニオン昭和、セシウム吸着剤の安定固化に成功
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:昭和電工

昭和電工と米UOP社との合弁会社、ユニオン昭和(東京都港区、大井敏夫社長)は26日、福島第一原発事故で発生した放射性セシウム(Cs)の吸着・除去に使用されている不溶性フェロシアン化物の安定固化に成功したと発表した。

不溶性フェロシアン化物は現在、放射能汚染水の吸着処理剤として使用されているが、使用後の吸着剤の最終処理が難しく、加熱してもガスが発生して、セシウムが空中に飛散する恐れがある。このため有効な処理方法が見つからず、現在、スラッジ化してタンクに貯蔵したままとなっている。

合成ゼオライトの大手メーカーであるユニオン昭和はこのほど、東北大学院工学研究科の三村均教授の指導で、使用済み不溶性フェロシアン化物に合成ゼオライトを混ぜることで、熱分解してもセシウムが閉じ込められ、外部に放出しないことを確認。これにより安定固化することに成功した。

同社はこの開発成果を、今年8月に開催予定の日本原子力学会再処理・リサイクル部会セミナー及び同学会の9月の秋の大会で発表する。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1343282723.doc