2012年07月30日 |
北海道経産局、薬用植物活用検討会報告書を公表 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:経済産業省 |
経済産業省北海道経済産業局はこのほど、「北海道における薬用植物の活用及び関連産業振興に関する検討会」の検討結果をまとめた報告書を公表した。 北海道の冷涼な気候は、薬用植物の生育に適しており、多くの薬用植物が栽培されている。しかし、漢方薬などなど医薬品原料になるものについては、中国からの輸入に依存しているのが現状である。また、伝統的に食体験がある薬用植物については、健康食品への活用や化粧品等での利用が考えられる。 検討会報告書によると、国内の薬用植物の生産・栽培状況は、北海道が栽培面積で1万8756アールでトップだが、生産量は751トンで第4位になっている。かつて北海道は、薬用植物の栽培拠点であったが、生産が海外に移ったため衰退した。 北海道の優位性については次の4点を挙げた。 (1)耕作面積が広く大規模栽培が可能であり、本州にない大型農業機械が利用可能である (2)冷涼な気候であるため、電気代等の保存管理コストを削減可能 (3)北海道が優位性を有する食品産業・観光産業との相乗効が期待できる (4)歴史ある薬用植物の研究機関が集積している 一方、北海道が栽培可能な薬用植物の食品・化粧品への活用についての課題として、次の3点を挙げた。 (1)農家・栽培事業者は、企業が必要な品種、量等のニーズの把握が困難 (2)北海道から原料として薬用植物を供給するじれは多いが、利益率の高い健康食品・化粧品等に加工して販売しているじれが少ない (3)栽培方法が十分に確立されていない、価格が不安定、農薬登録のためのコストが高いなどが生産拡大の障害になっている 報告書では、北海道経産局、ノーステック財団、北海道庁が連携し公的機関による情報発信・調整の一元化を図るとともに、農家・栽培事業者と製品開発企業とをつなぐ連携機関の役割を果たすように提言している。 |