2001年01月10日
透明ABS樹脂のアジア市況、一部で2,000ドルを割り込む
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 ABS樹脂の透明グレードのアジア市況が下がり続けている。昨年夏のトン当たり2,500~2,600ドルをピークに下落傾向にあったが、ついに一部で2,000ドルを割り込んだもようだ。いわゆるスケルトンブームの沈静化と中国の旧正月を前に需要が減少していることによるもので、旧正月明けの需要が注目される。
 透明ABS樹脂はここ2~3年の間、スケルトンブームの盛り上がりとともに需要が急速に拡大、当初のパソコンおよびパソコン関連から、雑貨や玩具まで用途が広がり、特に2000年の前半までは極めてタイトな状況が続いた。
 しかし、昨春世界最大のABS樹脂メーカーである台湾・奇美実業が新規参入したことや各社が増産体制を整えたことなどにより、供給量が増えたところに、ブームが沈静化し始め需要が減少、さらに原料の値下がりもあって昨年後半以降市況は下降線をたどってきた。
 今年以降は、スケルトンブームの終焉とともに需要は減少するものの、一方で「ある一定の需要は残る」というのが業界共通の見方であり、確実に残る需要を目指し各社の競争が激化することも予想されている。旧正月明け以降の需要次第では、さらに市況が下がりつづける可能性もあり、今後の動向を懸念する見方も出ている。