2012年08月20日

新日鐵化学、米コッパース社と提携、中国に大型石炭化学

【カテゴリー】：経営 【関連企業・団体】：新日鐵化学

新日鐵化学は20日、世界最大のコールタール企業である米コッパース社と戦略的提携を行い、中国にニードルコークスおよびカーボンブラックの生産・販売拠点を新設することを決めたと発表した。 上海と北京のほぼ中間にある江蘇省▲州（ヒシュウ）地区に工場を建設する。 コッパース社が中国企業と合弁でコールタールからピッチを生産し、新日鐵化学はこれをベースに、同じ工場敷地内に電炉用黒鉛電極の原料となるニードルコークス年産6万トンと自動車用タイヤの原料となるカーボンブラック同5万トンの生産設備を建設する。 新日鐵化学のプロジェクトには子会社のシーケム、新日化カーボンは参加するが、それ以外の企業は参加しない。製造に高度な技術を要するため、“漏洩”を防ぐ狙いがあるためとみられる。 新日鐵化学の総投資額は2つのプロジェクトを合わせて約130億円、生産開始は2014年6月の予定。売上規模として総額約200億円を見込む。 同事業は、コールタール蒸留による原料ピッチの生産をコッパース社と中国コークスメーカーの●州（イジョウ）グループが新設するJV会社が担当する。ニードルコークスおよびカーボンブラックの生産・販売を新日鐵化学グループが担当することになる。 コッパース社との戦略的提携により、原料から製品までの一貫体制を、日・米・中のそれぞれ特徴ある企業が担うという新たなスキームを構築することになる。 これにより世界的にも最も効率的で競争力を持った、コールケミカル事業チェーンを実現する。 ニードルコークスの需要は、世界的な鉄鋼スクラップ循環が進む中で増加を続けており、特に中国では電炉鋼生産の伸長とともに、今後も成長が見込まれている。一方、カーボンブラックも中国・アジア市場における自動車産業の成長に伴い、タイヤ原料として伸長が期待されている。 新設会社の資本金、役員など詳細は未定。 （注）▲はオオザトに不。●はサンズイに斤。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1345439292.pdf