2001年01月09日
味の素、インドネシアでの酵素不適合問題で見解
すでに生産切り換え中、当期決算に影響ない
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:味の素

 味の素は9日、「インドネシア味の素社」が製造している「味の素」がハラール不適合の指摘を受けたことについて同社としての見解と対応策を発表した。この中で製品中に豚由来の分解酵素は全く含まれていないが、製品の回収指示には従うこと、また豆濃培地への切り替えを行っていること、ハラール上問題ないとの見解が当局から示されていること、またこの回収に伴う損失が同社の当該期決算に影響をあたえるものではないなどの点を明らかにした。
 発表内容(全文)は次の通り。
(1)事業内容および対応状況
○2000年9月インドネシアで、ハラール認証更新時のハラール委員会の査察において、グルタミン酸ソーダ生産のための菌の保存用培地に、豚由来の酵素を触媒として作られた大豆蛋白分解物質が一部使用されていることが指摘されました。
 インドネシア味の素(株)では、グルタミン酸ソーダを生産する上において、主原料及び副原料については、ハラールの重要性を十分いに認識し、ハラール違反になる物質は一切使用しておりません。
 グルタミン酸ソーダは、発酵により生産されますが、発酵に発酵菌を使用しています。今回指摘されたのは、発酵菌の保存用の培地の一部の栄養源として使用している外部より購入した大豆蛋白分解物質が、その製造過程において触媒として豚由来の分解酵素を使っていたということです。
 尚、最終製品としての“AJI-NO-MOTO”には全く含まれておりません。
○インドネシア食品医薬局としても、最終製品には豚由来の物質は含まれていないとの声明を発表していますが、ハラール委員会が当該大豆蛋白分解物質使用は、ハラール上適切でないと判断したため、同局から回収の指示が出され、これに従う事に致しました。
○同社はすでに2000年11月に豆濃培地への切り替えを行っており、食品医薬局およびハラール委員会からは、ハラール上何ら問題ないとの見解をいただいています。
(2)業績への影響について
回収対象製品は、2000年10月1日~同年11月24日に製造されたものであり、この回収に伴う損失が当社の当該期決算に重要な影響をあたえるものではないと考えております。
 なお、現在東ジャワ州にある同社工場が事実上操業が出来ない状況にあり、日本から要員を派遣して操業再開に向け努力しております。従いまして、この問題に関する最終的な損失見込み額については現状未定であり、判明し次第あらためてご報告申し上げます。