2012年08月29日
横浜ゴム、太陽光発電モジュール用シール材が米国UL認証取得
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:横浜ゴム

横浜ゴムは29日、ブチルゴム系ホットメルトタイプの太陽光発電モジュール用シール材「M-155P」が、米国の安全規格であるUL認証のRTI値(耐熱耐久性)110℃を取得したと発表した。

太陽光発電モジュール用のブチルゴム系シール材が同認証を取得したのは初めて。同社はすでに取得済みの難燃性認証と合わせて、同製品の高い安全性と信頼性が実証されたとしている。

太陽光発電モジュールは、太陽電池セルを強化ガラスや樹脂で保護したモジュール基板に、アルミフレームをはめたて強化したもの。モジュール用シール材はモジュール基板とアルミフレームを接着し、湿気の侵入による電極腐食(発電効率の低下)を防ぐ。

モジュール内は高温になるため、現在、世界的に耐熱耐久性に優れたシリコーン系シーリング材が多く使用されているが、長期間使用した場合の出力低下が懸念されている。

横浜ゴムが開発した「M-155P」は、ブチルゴムの架橋反応を向上させる新技術の採用により、耐熱耐久性を大幅に向上させた。今回の認証取得は、シリコーン系シール材と同等以上の耐熱耐久性を持つことを示す。またブチルゴム系のため接着速度が圧倒的に速く、透湿性が一般的なシリコーンの100分の1程度と低い。このため長期耐久性に優れている。

UL認証は、1894年に設立された米国保険業者安全試験所(Underwriters Laboratories Inc.)が認定する世界的権威のある安全規格。任意の認証制度だが優れた安全性を証明するものとして、製品をはじめ部材や材料でも広く取得が進められている。

<用語の解説>
■ RTI値とは :長時間(10万時間=11.4年)材料の有している特性を維持することのできる最高使用温度を表わす。