2012年09月03日 |
帝人のアラミド繊維、火星探査機の着陸用パラシュートに |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:帝人 |
帝人は、子会社の帝人テクノプロダクツ(本社・大阪市中央区)が製造・販売しているパラ系アラミド繊維「テクノーラ」が、昨年11月に打ち上げられた米航空宇宙局(NASA)の無人火星探査機「キュリオシティ」と着陸時に使用する超音速パラシュートとをつなぐサスペンション・コード(吊り下げ用コード)の素材として採用されたと発表した。 「キュリオシティ」は8月6日(日本時間)、火星大気圏に突入後にこのパラシュートで降下しながら2分以内に時速1450キロから290キロまで減速し、無事火星に着陸した。 この超音速パラシュートは、「テクノーラ」製のサスペンション・コードを80本装着しており、コードも含めると総重量約60kg、直径約15m、全長は16階建てビルに匹敵し、これまでに製造されたパラシュートの中で最大のサイズ・強度となる。 同コードは、実際に72.5トンの重量に耐える強度を備え、寸法安定性、耐熱性に優れている。 これらの特性がNASAに評価され、今回の火星探査に採用された。 「テクノーラ」は帝人が独自に開発し1987年に生産を開始した。産業用のロープやケーブル、光ファイバーケーブル、ゴムベルトやホースなど幅広い製品の補強材として使用されている。 |