2001年01月05日 |
化学各社のトップの年頭挨拶「21世紀決意新たに」 |
グローバル化の中で再編、構造改革推進を強調 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:昭和電工、住友化学、東ソー、三井化学、三菱化学 |
化学業界は4日が仕事始め、今年は新世紀を迎えた節目の年だが、各社トップにとってはそれ以上にグローバル化が進む中で、事業再編や構造改革にどう取り組むかの課題が大きいようで、年頭の挨拶にもそれが色濃くにじみ出た。「経営改善」を大前提に掲げる一方で「情報化時代」への取り組み、「環境・安全対策」「企業の行動規範」を全社員に求め、新たな発展基盤を築いていきたいとの決意が感じられた。 三菱化学の正野寛治社長は「国内外での生き残りをかけた戦いは熾烈さを増している」とし、現在進行中の中期計画では最終2002年度に目標の経常利益1,200億円、ROA6%が達成できるよう全力をあげたいと強調、そのためには事業構造、経営システムだけでなく、成果を最重視する企業風土が必要と説いた。その一方で「21世紀は化学の時代」と位置づけ、食糧、エネルギー、環境などあらゆる分野で社会に貢献できると、社員に夢や誇りを求める挨拶をした。 昭和電工の大橋光夫社長は具体的な経営方針を示して全社員に遂行を求めた。方針として(1)チータ・プロジェクト年間予算の達成(2)企業カルチャー変革の推進(3)基本戦略に基づく研究開発の促進(4)昭和アルミニウムとの合併効果の速やかな実現、など6項目を掲げ全力で取り組むよう指示した。 東ソーの田代圓社長は、「化学業界は新しい秩序を求めて産みの苦しみが始まった」とし、冷静な判断と強い意志を求めた。この中で、同社は2000年3月期決算で史上最高の経常利益をあげたが、国際市況など外部要因によるところが大きく「想定される最も厳しい条件下でどれだけ安定した利益があげられるか」が課題と分析、現在推進中の事業構造改革達成が第一であると、実行を求めた。 三井化学の中西宏幸社長は、2000年は原油価格急騰の影響を受け、「高操業にもかかわらず苦戦を余儀なくされた」と述べたあと、欧米化学企業のダイナミックな事業再編、アジア新興勢力の石化事業拡大など予想を超える速さと規模で進展している。こうした中では「有力企業との思い切ったアライアンスが不可欠」と、住友化学との全面的な事業統合を決断した理由を説明、今年は「21世紀のグローバルリーダー」となるための第一歩を踏み出す重要な年だとの認識を示した。 |