2012年09月10日
理研、電子の磁気能率の大きさを1.3兆分の1の精度で決定
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:理化学研究所

理化学研究所は10日、コーネル大学および名古屋大学との共同研究で、電子およびミュー粒子の持つ磁気能率の大きさを量子電気力学(QED)に基づき理論的に計算し、微細構造定数αの5乗までの全寄与をスーパーコンピュータを用いて求めることに成功したと発表した。

これにより、電子の磁気能率の大きさを1.3兆分の1の精度で理論的に決定し、3.6兆分の1の精度で求められている実験値と不確かさの範囲内で一致することを確認し、この精度までQEDが正しいことを検証した。

これは、理研のスパコンを使用した9年間にわたる計算の成果である。この計算結果により得た電子のg因子の値とそこから導いた微細構造定数αは、現時点における人類の科学の到達度を最も端的に示す数字である。今回の結果により、物理学の精密検証は新たな段階に進んだことになる。