2012年09月11日
三井化学、10月からMPCRを1㎏当たり380円値上げ
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三井化学

三井化学は11日、レジストの液晶・半導体向けや自動車の特殊ワニスなどに用いられる基礎化学品、メタパラクレゾール(MPCR)を10月1日出荷分から1㎏当たり380円値上げすると発表した。MPCRの価格水準が約2倍となるほどの大幅値上げである。

同社は、岩国大竹工場の爆発・火災事故のため、MPCRと原料であるサイメンの稼働を休止してきたが、原料サイメンを千葉県の市原工場で代替生産を行うとともに、岩国大竹工場でのMPCRの稼働再開を決めた。これは、フォトレジストの液晶・半導体向けや自動車の特殊ワニスなどの用途分野で他の化学品に代替するのが困難なことが背景にある。

値上げ幅を380円とした理由について同社は、原料サイメンを市原工場で代替生産するため、新たにストックコストが発生した。また市原工場から岩国大竹工場への輸送コストや、岩国大竹工場での原料サイメンのプラント改造費など、大幅なコストアップの発生に対応するものだと説明している。

値上げ期間は、原料サイメンの代替生産が始まる今年10月から岩国大竹工場での再開が見込まれる来年6月末までの9カ月間の見込み。ただ、今回の値上げは「需要見合いの適正価格」と判断しているため、来年10月以降も継続する意向を固めている。