2012年09月12日
理研と岡山大、植物の耐病性を向上させる新規化合物5個発見
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:理化学研究所

理化学研究所と岡山大学は11日、病原体に感染したときだけ植物の免疫力を高め、耐病性を向上させる化合物(薬剤)「プラントアクティベーター」を新たに5個発見し、その作用メカニズムを解明したと発表した。

プラントアクティベーターは、植物が本来持っている免疫力を高めることで耐病性を向上させる薬剤である。病原体を標的とする殺菌性農薬とは異なり、薬剤耐性菌が出現しないことによる効果の持続性と、さまざまな病原体に対する広範な防除作用を持つため、低環境負荷型農業の実現に向けた利用拡大が期待される。

発見したプラントアクティベーター5個を詳細に調べてところ、これらの薬剤がサリチル酸の代謝を阻害することで不活性化を抑え、その結果、免疫応答を制御するサリチル酸が増加し、植物の耐病性が向上することを突き止めた。

今回、プラントアクティベーターの作用メカニズムの解明により、標的を絞って新薬材を開発する道が拓かれた。また今後、サリチル酸代謝を薬剤や分子育種などで制御して作物に持続的な耐病性を付与する新技術の開発が期待される。