2012年09月12日

京大・三菱化学など、強度や寸法安定性大幅向上の新素材開発

【カテゴリー】：原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】：三菱化学、DIC

新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）は12日、京都大学、京都市産業技術研究所、王子製紙、三菱化学、DIC、星光PMC（東京都中央区、乗越厚生社長）と共同で、製紙用パルプに含まれる植物由来の再生可能資源を利用して、軽量・高強度の特徴を持つセルロースナノファイバー（CNF）を樹脂中に均一分散させた新素材を開発したと発表した。 樹脂の強度は従来の3-4倍に向上、熱による寸法変化を2割程度まで抑えることに成功した。 自動車重量の約9％（約110kg）を占める樹脂部材を今回開発したCNF強化樹脂に置き換えることで、樹脂の使用量を減らすことができ、20Kg程度の軽量化が可能となる。 これにより自動車の燃費向上で、化石資源への依存度低下に寄与することが期待できる。 「グリーン・サスティナブルケミカルプロセス基盤技術開発」の成果となる。 また、自動車用部材だけでなく家電、住宅、包装・容器などに用いられる樹脂部品への幅広い展開が可能で、このため今後は、自動車メーカーや機械メーカーと連携しながら生産技術の開発に取り組んでいく方針である。