2001年01月01日
【年頭所感】新しい世紀への対応を目指して ・日本プラスチック工業連盟会長 佐藤彰夫
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:日本プラスチック工業連盟

 あけましておめでとうございます。皆様明るい陽春をお迎えになったことをお慶び致します。
 我が国経済は自律的回復軌道に乗ったとは言えないまでも、平成12年度のGDPについて政府が予想を1.0%から1.5%へと上方修正し、13年度についてはやや明るい2.2%と予測がなされている中、新しい平成13年(西暦2001年)を迎えることとなりました。また、今後の産業としてIT技術を中心に据え、自由貿易協定(FTA)がシンガポールとの間を始めとして進められる等、次第に新しい世紀に向けての準備が進む、期待がもてる年になるのではないかと思っております。
 昨年のプラスチックス業界は、原料樹脂の側では、急速に立ち直ったアジア経済を背景にした輸出の増加と国内の景気回復により、原油価格が高止まりする中、生産量は過去最高であった平成9年の1,540万トンに次ぐ、1,500万トン程度まで回復して参りました。国内市場が大部分を占めるプラスチック製品の生産も回復しており、対前年比ほぼ1%は増加したものと見込まれます。全体的な景気回復とともに今年の需要増加を期待しております。
 新しい世紀を迎えた今、産業界を取り巻く環境も大きく変わろうとしております。欧米化学企業の再編、アジア市場における新鋭プラントの立ち上がり等があり、一方加工業界においてはグローバル調達の進展、PEフィルム等プラスチック製品の輸入増大等があります。これらに対応するために、プラスチック業界においても業務提携、合併、さらに不採算部門からの撤退、設備廃棄等が企業体質強化を主目的に行われてきております。

 このような状況において、プラスチック業界が社会と共存して発展していくためには、何よりもプラスチックに対し、正しいイメージを持っていただき、適正な使い方をしていただくことであると考えております。環境問題は、そのために取り組むべき重要な課題であります。昨年4月より容器包装リサイクル法によるプラスチック製容器包装の再商品化の義務履行が始まり、プラスチック業界上げて万全の体制をとって参りました。当連盟もプラスチック製容器・包装材質表示方法マニュアルを作成し、業界の方々の義務履行に役立つよう努力を致してまいりました。しかし環境問題としては、循環型経済社会への対応、地球温暖化防止対策、海洋汚染防止対策等、今後も精力的に取り組んで行かねばなりません。
 また、当連盟は初期段階より国際標準化機構(ISO)のプラスチック関係規格の国内審議団体として国内外に活動の場を展開しておりますが、循環型経済社会を見据えた規格事項にも活動の場を広げる必要が出てきております。昨年11月に韓国ソウルにて開催された「極東プラスチック業界懇談会」でも、引き続き、環境問題が共通の課題であり、国単位では処理し難いとの認識であり、共に協力して進めていきたいと考えております。

 当連盟は平成10年度より新しい体制により、活動を行い成果を上げてまいりました。皆様方のご支援、ご協力に厚く御礼申しあげます。今後ともプラスチック産業発展のために努力していく所存で御座います。さらなるご支援、ご協力を心からお願い申しあげます。

 最後になりましたが、皆様方の一層のご繁栄を祈念いたしまして、新年のご挨拶と致します。