2012年09月18日
昭電と産総研、世界初・塩素を使わないエポキシ樹脂開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:昭和電工、産業技術総合研究所
今回開発したエポキシ化合物

昭和電工は18日、産業技術総合研究所(産総研)と共同で、高効率・高純度なエポキシ樹脂原料の合成技術を開発したと発表した。エポキシ樹脂の原料として、エピクロルヒドリンを用いずにアリルエーテルを過酸化水素により酸化してエポキシ樹脂を合成する。

過酸化水素は酸化反応後の副生成物が水だけのため、クリーンな酸化剤として知られる。触媒は産総研が開発、昭電が世界で初めて工業化プロセスを確立した。

昭電では、樹脂に塩素を含まないため、用途としてとくに半導体封止材向けに最適としている。すでに試作品を一部電子部品メーカー向けに配布し評価中。今後さらに製造プロセスの改良研究を行ない、2014年度中の本格市場参入を目指す。

産総研と昭和電工はこれまで共同で、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「有害化学物質リスク削減基盤技術開発プロジェクト/非フェノール系レジストの研究開発」を基に、酸化剤に過酸化水素を用い、塩素を使わない「脂環式エポキシ化合物」の製造法を開発してきた実績を持つ。

今回の研究は、経産省およびNEDOの委託事業である「グリーン・サステイナブルケミカルプロセス基盤技術開発/革新的酸化プロセス基盤技術開発プロジェクト」として共同で取り組んできた経緯がある。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1347945251.doc