2012年09月26日
帝人ファーマ、英社と新規気管支喘息薬の独占的契約を締結
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:帝人ファーマ

帝人ファーマ(本社・東京都千代田区、荒尾健太郎社長)は26日、英国の医薬品開発企業であるプルマジェン・セラピューティクス(アズマ)社との間で、同社が創製した気管支喘息治療薬「ADC3680」について、日本における独占的開発・製造・販売契約を締結したと発表した。

「ADC3680」は、気道の炎症性細胞(気道の炎症を悪化させる細胞)上に存在する受容体タンパク質であるSRTh2とPGD2の結合を阻害することで、炎症性細胞の活性化を防ぎ、気道の炎症を抑えるという、これまでにない新しい作用機序により抗炎症作用を発揮する。将来的には、気管支喘息だけでなく、その他のアレルギー疾患やCODP(慢性閉塞性肺疾患)など、他の呼吸器疾患への適応拡大が期待される。

日本国内の気管支喘息患者数は、ここ10年で約2-3倍に増加していると言われ、現在では800万人以上とも推定されている。その治療には、抗炎症作用の強い吸入ステロイドを第一選択薬として用い、治療ステップに応じてその他の薬剤を併用することが治療ガイドラインで推奨されている。しかし、十分に喘息症状が改善しない患者もいることから、新たな作用機序を有する薬剤の開発が望まれていた。

帝人ファーマでは、今後、日本における開発を進め、2013年度に国内第Ⅰ相臨床試験を開始する予定である。なお、プルマジェン社が英国で気管支喘息患者を対象にした第Ⅱ相臨床試験を開始している。