2000年06月14日
宇部興産と荏原製作所、EUPによる再商品化事業で合弁会社設立
宇部の実証設備を実用化レベルの2万トンに増強
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:宇部興産、NEDO、プラスチック処理促進協会

 宇部興産と荏原製作所は14日、共同で開発した加圧二段ガス化プロセス(EUP)により容器包装廃プラスチックなどの有機廃棄物をガス化し、化学原料などに再商品化することを目的に、6月22日に共同事業会社「イーユーピー」を設立することで合意した、と発表した。
 EUPは、廃プラを原料とするガス化ケミカルリサイクル技術で、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から委託を受け、社団法人プラスチック処理促進協会と共同で実証試験を進めており、現在は技術確立の最終段階にあり9月にも完了を予定している。廃プラのケミカルリサイクルとしては国内初の本格的な技術であり、塩ビ樹脂を事前に分離することなく前処理として破砕した後、直径約60mm、長さ約150mmの円筒形RDF(固形燃料)に成形、低温ガス化炉(600~800度)、高温ガス化炉(1,300~1,500度)で構成される二段ガス化プロセスにより熱分解・部分酸化を行い、水素と一酸化炭素を生成するもの。
 イーユーピーは、本社を東京都港区に置き、出資金1,000万円(設立時)で、両社折半出資により設立、来年度の本格的事業開始時には増資を予定している。社長には、宇部興産のエネルギー・環境事業本部環境事業開発室営業部長の福田俊男氏が、副社長には荏原製作所のエンジニアリング事業本部環境プラント事業統括営業第三部副部長の渡辺和啓氏が就任する。設備は、山口県宇部市にある廃プラ年間再商品化能力1万トン(30トン/日)の実証プラントを、実用化規模の年間2万トン(65トン/日)に増強する予定。
 両社は今年度、容器リサイクル法に基づいたEUPによる廃プラ再商品化事業を受注しており、来年度から共同事業会社で本格的に再商品化事業を開始する予定で、2001年度売上目標として10数億円、2002年度には20数億円を計画している。将来は関東、関西両地区などに年間10万トン規模の大型プラントを建設、容器包装廃プラに加え、自動車シュレッダーダストや家電廃プラに対象を拡大、年商100億円以上を目指す考え。