2012年10月10日
農水省、農林漁業成長産業化ファンド本格始動へ
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:農林水産省

農林水産省は、農林漁業の6次産業化・成長産業化を推進するため、新たに設立するファンド「株式会社農林漁業成長産業化支援機構」を来年度から本格始動させる方針である。このため、来年度の農林水産省予算概算要求に財投資金350億円を盛り込んだ。

政府は、今年7月31日に「日本再生戦略」を閣議決定し、重点分野の一つとして「農林漁業の6次産業化・成長産業化」を打ち出した。これを受けて農水省では、新たに設立される農林漁業成長産業化ファンドを通じて、農林水産物等の特色を活かしながら、1次産業から2次・3次産業を通じて消費者までのバリューチェーンを築く事業活動の支援を来年度から本格化させる方針を決めた。

農林漁業成長産業化ファンドの農林漁業成長産業化支援機構に対して、産投出資250億円、産投貸付100億円の合計350億円の財投資金を投入する。ファンドは、6次産業化法の認定を受けた事業者である6次産業化事業体に直接出資するか、新たに官民で設立される地域ファンドを通じて出資する。平成24年度と25年度を合わせて、総契約規模は1000億円に達するとみている。

このうち、産投貸付100億円は、6次産業化事業体に対する、民間金融機関からの借入円滑化を図るための資本性劣後ローンの貸付に充てる考えである。
同省では、農林漁業成長産業化ファンドの本格始動をテコに、6次産業化の市場規模(平成22年度に約1兆円)を平成27年度に3兆円、平成32年度に10兆円規模に拡大させる方針である。