2012年10月31日
産総研、液体をはじく表面に半導体塗布の新製膜技術を開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:産業技術総合研究所

産業技術総合研究所は31日、液体を強くはじく高撥水性表面に有機ポリマー半導体溶液を塗布し、材料のロスなく均質に薄膜化する技術を開発したと発表した。

この塗布技術によって、電子ペーパーなどの情報端末機器に不可欠な高性能な薄膜トランジスタ(TFT)を従来法よりも著しく簡便に製造できるようになる。

半導体薄膜を撥水性の高いゲート絶縁膜表面に形成してTFTを作製すると、TFT性能の安定性が向上するが、従来の塗布法では表面が液体を強くはじくため製膜が困難であった。今回、有機ポリマー半導体を溶解させた溶液を3層構造のシリコーンゴムスタンプで圧着し、溶液を撥水性の高い表面全体に均一に濡れ広がらせることによって製膜する新技術(プッシュコート法)を開発した。

この技術により、撥水性の極めて高い表面に、均質性と結晶性に優れた半導体薄膜を得ることができるとともに、従来の塗布法と異なり、材料の無駄をほぼゼロに抑えることができる。