2012年11月06日 |
日本ゼオン、世界初・単層カーボンナノチューブ量産 |
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術) 【関連企業・団体】:日本ゼオン |
日本ゼオンは6日、炭素によってつくられる高品位な新素材、「単層カーボンナノチューブ」(CNT)を来年初から量産化し、サンプル配布を開始すると発表した。 CNTは鋼鉄の数十倍の強さと、いくら曲げても折れないしなやかを持ち、薬品と反応せず常に安定している。耐熱性に優れ、電気を通しやすいなど多くの優れた特徴を持つことから“脅威の新素材”といわれてきた。 多層ナノチューブのメーカーは何社かあるが、キロ当たりの生産コストが億円単位と髙く課題とされてきた。 日本ゼオンは世界で初めて「単層カーボンナノチューブ」を量産化する。 産業技術総合研究所(つくば市)の量産実証プラントを活用する。 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「カーボンナノチューブキャパシタ開発プロジェクト」を通じて2004年に産総研の畠賢治博士らが見出した革新的な合成法「スーパーグロース法」を基盤にした量産化技術によって製造する。従来品に比べてより純度が高く、電気が通りやすい物性を持つ。 装置規模は日産600~800グラムだが、従来品に比べるとコストは各段に安く「将来的には電子材料向けに、1キロ当たり数万円、グラム数百円で提供できるようになるのでは」と言っている。 2013年1月から半導体や金属、ゴム、樹脂メーカーなどの幅広いユーザーに向けサンプル提供を開始する。従来にない機能や特徴を持った新機能材料、次世代デバイスなどへの応用が期待される。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1352188598.tif |