2012年11月06日
トクヤマ・幸後社長、多結晶シリコン収益改善へ積極策 
マレーシア2期計画も推進、「2015年にはフル稼働」
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:トクヤマ
幸後和壽社長

トクヤマの幸後和壽社長は6日の定例記者会見で、多結晶シリコン事業の収益改善計画を明らかにするととともに、2014年4月の営業運転開始を予定しているトクヤママレーシア2期計画(年産1万3800トンプラント)について、フル稼働が2015年になるとの見通しを示した。

同社特殊品部門の柱である多結晶シリコン事業は、半導体向け、太陽電池向けともに供給過剰にあることから市況が急速に悪化し、抜本的な収益改善策が課題となっている。

幸後社長が明らかにした収益改善策は、
(1)半導体向けについて、トクヤママレーシアの半導体向けグレード生産とコスト競争力を武器に、長期契約ユーザーとの取引拡大と市場でのシェア維持を図る。
(2)太陽電池向けは、短期的には数量拡大よりも利益重視の販売戦略をとり、中長期的にはソリューション提供による顧客との関係強化を図るとともに、川下との連携による販売数量の拡大を検討する。
(3)徳山製造所とトクヤママレーシアで生産数量の調整を行うとともに、生産コストの最小化を図ることで最適な生産体制の構築を目指す、
とした。

また、トクヤママレーシアは、第1期計画(年産6200トンプラント)を今年11月末に完成、試運転を開始し、予定通り2013年6月の営業運転を開始する。今後、半導体向けグレードの認定取得の準備を進める。
第2期プラントは2014年4月に営業運転開始に向けて工事を予定通り進めている。営業運転の開始時期決定は「太陽電池の市場動向に応じて柔軟に対応する」方針だが、「フル稼働は2015年になる」との見通しを明らかにした。