2012年11月08日
吉髙電気化学社長、「成長戦略を見直し、基盤強化急ぐ」
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:電気化学工業
吉髙紳介社長

電気化学工業の吉髙紳介社長は7日の2012年度第2四半期共同記者会見で、「経営環境の変化に対応して、中期経営計画における成長戦略の軌道修正を図るため、その見直しに着手した」ことを明らかにした。

経営環境の変化について吉髙社長は、(1)欧州債務危機問題による世界経済の減速(2)中国などの新興国の成長率鈍化?(3)円高の定着により輸出環境の悪化だけでなく、国内生産のリスクが高まってきた(4)成長分野・末端ニーズの変化―を挙げた。

このため、今後の成長戦略について、「生産体制・拠点配置の最適化とコストダウンの徹底」「成長ドライバー候補として、環境、エネルギー、健康・医療分野に特化する」という2点から軌道修正を図ると強調した。

その方向性を、前者の最適化については、「アセチレンブラック、スチレン系樹脂プラント、機能フィルム、食品シート、溶融球状シリカ、カツラ用合繊、特殊混和材、接着剤の8製品について、海外生産を加速し、国内はハイエンド品にシフトする棲み分けを図る一方、国際競争に耐えるコストの構築を図る」方針を示した。

成長ドライバー特化戦略としては、「アルミナ繊維の増強(自動車の排ガス浄化部品など)、アセチレンブラックの増強(車載用LiB、洋上風力発電の送電ケーブル)、窒化珪素の増強(自動車・風力発電向けベアリング)、検査薬・関節機能改善材(簡易診断キット、脂質系・循環器系検査薬など)の4分野を中心に基盤強化を急ぐ」とした。とくに「M&Aも視野に入れて取り組む」と強調した。